2006年09月28日

●カラダのふしぎ。

Ktoubia et la lune

さて、ラマダンも今日で4日目…かな?5日目だったかな?
去年はサボってしまったワタクシも、今年は今度また撮影の仕事でお世話になる老人に「お礼?そんなものはいりませんよ。あなたが良いムスリムになってもらえるよう、私は私にできることをしましょう」なーんて言われてしまったので、そのココロに応えるために、せめてラマダンくらいきちんと参加しようではないかと思い立ったのが原因です。(よこしま。)

良きムスリムへの道は行動で示せと言われますが、こんな小さな優しさに出会うごとに、私なんてついこんなふうにグッときてしまうのですから、きっとまさにその通りなのでしょう。

さて、このラマダンの日々、私はやっぱりなまけものですし、実はまだムスリムなわけではないので、朝起きて食事を食べて断食に向かう…なんていう殊勝な事はできません(笑)
日没後のフトールを食べたら、寝る前にしっかり水を飲んで、後は翌日のフトールまで断食。
食い気よりも眠気をむさぼりつつ、やっぱりけっこうフラフラです。

けれども不思議な事に、1日何も食べないので、味覚がだんだん「味」という強い刺激に惑わされなくなってくるのでしょう。
断食が明けて水をゴクリと飲むと、これが「甘い」のです。
食べないでいると、味の幅が広く感じられるような気がします。

水が甘い、で思い出したのは、かつて高校生だった時に出かけた山形での山伏修行の日々の事。
夜になると修行堂でドクダミやらぬかやらとうがらしやら…といったものを炭火で燃やして、堂内をそれはヒドいにおいと刺激のする煙で満たす修行があったのですが、これが本当にツラい!
少しでも呼吸を乱すと、とうがらしのせいで咳が止まらなくなるのです!

ところが、この修行を終えて扉を開き、外に出るとなんと!
空気にこんな味があったのか?!というような、甘くて濃密な味わいがあったのです。
「甘い!空気が甘い!空気に味がある!!」と、かなり衝撃を受けた事を思い出します。

時々ちょっと日常と離れた事をしてみるというのは、自分の体や、自分の周りを取り巻く環境を、また違う角度から感じる機会なのかもしれません。

2006年09月27日

●ウルルン滞在記(1)

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【特別晴れた夏の日には、ウソのような水色になるティスリット湖。必見!】

番組の放送からはや1ヶ月ちょっと。
モロッコの私は、ようやく先日番組を見る事ができました〜。
仕上がりの番組を見て思うのは、毎回ながら「こ、これだけ?!」(笑)
あれだけ苦労したコレは、1秒未満かぁ〜!などと思いつつも、そのキラリと光る1秒未満の積み重ねが、「面白かった」という記憶につながるわけなので、撮影中は気が抜けません。
今年も残す所ロケ1本! あやうくもう1本入ってしまうところでしたが、札ビラで頬をたたかれても管理人、番組制作と制作チームに愛のない仕事は引き受けないのでありました(笑)
50周年という機会もあってか、今年は特に撮影が多かったのかもしれませんが、何度訪ねても飽きない!(笑)奥深い魅力のあるモロッコの姿を一つでも多く見ていただけるのであれば、白髪を増やしたかいがあったというものです(笑)

さて、ウルルン滞在記。
実は放送直後からいろいろな方に聞かれていた、どうやらそこが一番気になっているらしい質問が一つ。
「タレントは本当にホームステイしているの?」という点について。

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2006年09月24日

●2種類の「何もない」

10月初頭に予定されている、今年最後…の予定のテレビ番組の撮影の下準備のため、今年2回目になるラァイユーンへの出張にでかけてきました。
さてさて、滅多に出かける人もないこの地域ですが、それもそのはず。
道中観光として見所になる所がいくらかあればいいんですが、道中の大半が、なんと第一級の「何もない」なのです。

実は「何もない」にも、非常に美しい「何もなさ」と、讃えるものの何もない、「何もなさ」という2種類があるのですが、特にタンタンからラァイユーンに至る道は、この後者の方。何があるわけでも、何がないわけでもなく、車窓からの風景の退屈な事といったら!それが150kmほども続くのですから、ドライバーにはたまりません。
かつてサン・テグジュペリが滞在し、「星の王子様」の物語の着想を得たタルファヤの町が近くなるくらいまでは砂丘さえも見当たらないので、いっしょに出かけたダンナとともに、これは稀に見る退屈な道だ、と語り合ったほどでした。

ところが2回目の出張となった今回、予定していたフライトがキャンセルされてしまった事から、海沿いではなく、内陸側のスマラに向かう道に行ってみようということになり出かけてみたところ、なんともそれは美しい「何もない」が広がっている事を発見。

雄大な風景が広がる事を誇る南部モロッコでも、360度何もない大パノラマは、中心にアトラス山脈があるために、なかなか見られるものではありません。
そんな中で、ラァイユーンからスマラに向かうその道は、青空と、地平線と、蜃気楼と、まばらに生えるアカシアの木の存在で、アフリカの広さ、砂漠の広大さを感じる事ができる、なかなか立派な「何もない」が広がっている道でありました。

そしてその帰り道、ラァイユーンに入る少し前を右折すると、そこにはなんとも美しいターコイズ・ブルーをたたえた湖が!ダムがある、とは聞いていたけれども、まさか砂漠の真ん中で、こんなに美しい水色に出合えるとは思っていなかったので、感激もひとしお。
少しずつ開発されつつあるタルファヤの町を含め、いつかこの雄大さを、日本人のお客様にも感じていただける機会を持てればなぁと思った、思いがけないひと時でした。

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2006年09月21日

●管理人、やられる

今日ほど「モロッコ的」な日も久々、というくらい!
あまりにもモロッコ的すぎる1日で、パソコンの前にいる今も笑いがこみ上げてきます。
いやモロッコ。何年つきあってもまだまだまだ「分かった」とは言えない奥深さがあります。

そもそも今日は役所に劇場のレンタルの依頼の書類を先に進めるために足を運んだのですが、本来劇場側から市役所に渡さなくてはならないはずの書類を私が受け取らなかったために、1往復よけいにしなくてはならなくなってしまったのがコトのはじまり。

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