2006年09月24日

●2種類の「何もない」

10月初頭に予定されている、今年最後…の予定のテレビ番組の撮影の下準備のため、今年2回目になるラァイユーンへの出張にでかけてきました。
さてさて、滅多に出かける人もないこの地域ですが、それもそのはず。
道中観光として見所になる所がいくらかあればいいんですが、道中の大半が、なんと第一級の「何もない」なのです。

実は「何もない」にも、非常に美しい「何もなさ」と、讃えるものの何もない、「何もなさ」という2種類があるのですが、特にタンタンからラァイユーンに至る道は、この後者の方。何があるわけでも、何がないわけでもなく、車窓からの風景の退屈な事といったら!それが150kmほども続くのですから、ドライバーにはたまりません。
かつてサン・テグジュペリが滞在し、「星の王子様」の物語の着想を得たタルファヤの町が近くなるくらいまでは砂丘さえも見当たらないので、いっしょに出かけたダンナとともに、これは稀に見る退屈な道だ、と語り合ったほどでした。

ところが2回目の出張となった今回、予定していたフライトがキャンセルされてしまった事から、海沿いではなく、内陸側のスマラに向かう道に行ってみようということになり出かけてみたところ、なんともそれは美しい「何もない」が広がっている事を発見。

雄大な風景が広がる事を誇る南部モロッコでも、360度何もない大パノラマは、中心にアトラス山脈があるために、なかなか見られるものではありません。
そんな中で、ラァイユーンからスマラに向かうその道は、青空と、地平線と、蜃気楼と、まばらに生えるアカシアの木の存在で、アフリカの広さ、砂漠の広大さを感じる事ができる、なかなか立派な「何もない」が広がっている道でありました。

そしてその帰り道、ラァイユーンに入る少し前を右折すると、そこにはなんとも美しいターコイズ・ブルーをたたえた湖が!ダムがある、とは聞いていたけれども、まさか砂漠の真ん中で、こんなに美しい水色に出合えるとは思っていなかったので、感激もひとしお。
少しずつ開発されつつあるタルファヤの町を含め、いつかこの雄大さを、日本人のお客様にも感じていただける機会を持てればなぁと思った、思いがけないひと時でした。

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2006年08月07日

●大晦日と犠牲祭がバッティング!

例年6、7、8月は仕事も落ち着き、一息つける季節のはずなのに、今年は国交樹立50周年という機会もあってか、とにかく忙しい!
「忙しいという漢字は、『心を亡くす』と書くんだよ」と自分の心がつぶやくので、忙しいと言ったり、思ったりすることさえストレスなんですが、今を忙しいと呼ばずしていつを呼ぶ?!という状態。
ブログの準備をしたり、すっかり遅れているホームページのリニューアル作業を完了させることもできず、どうもすみません。

最低でも必要情報はお伝えせねば、ということで、ひとまず今年の年末年始について注意事項を。

実は今年の大晦日、もしくは1月1日は、イスラム世界の大祭、「犠牲祭」とバッティングしています。
このため、ツーリストでも大混雑するこの時期、バスやタクシー等、公共交通機関はモロッコ人だけでも非常な混雑が予想され、乗車拒否、運賃の高騰など、例年よりもひどくなるのではないかという事が予想されます。
ですので、この時期にご旅行を計画なされておられる方は、とにかく「足の確保」は確実にしておいた方がいいでしょう。
通常はツーリスト向けトランスポートを請け負っている車両も、この時期だけはモロッコ人向けに稼働したりするのですが、今年はタイミング的にどう考えてもそういった形で動ける車両も少ないはずなので、例年よりも混雑度が高くなると予想される、というわけです。

特にバックパッカー系の旅行を予定されている方は、数日にわたって次の町に移動できない、バスやタクシー以外の移動手段も手配しずらいといった事が予想されますので、予算と日程には余裕を持たせる事をおすすめいたします。

2006年05月20日

●my bestホテルの「作り方」

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※写真は全て異なるホテルの写真で、本文とは何の関係もありません。


旅行のお客様から、そしてまた雑誌やテレビの取材陣からも聞かれるのが、やはりおすすめのホテルやレストラン。その中でも、今回はホテルのお話をちょっと。

実は今のモロッコはすごい勢いで、大きなホテルや小さなホテルが増えては消え、消えては増えているので、その中から「おすすめ」を紹介する作業というのは簡単ではありません。
仕事柄安宿からうっとりするような高級ホテルまで、どこが開いた、どこがいいと聞いては都市部から地方までいろいろ訪ね歩くわけですが、実際のところ、ここはぜひお客様に紹介したい!と思うホテルというのは、かなり限られてしまいます。
というのも、ホテルというのは、デザインやら価格やら、装飾といった、簡単に目につくところで、「高いからさぞ良いだろう」という判断ができるシロモノではないからなのです。

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2006年04月13日

●足下に転がる宝たち?!

マラケシュやフェズのメディナといった、エキゾチックな町並みが話題になることの多いモロッコですが、実はこの他にも雄大な自然や砂漠はもちろん、化石や隕石といったミネラル系の話題にもとても恵まれているんです。
ヒソカに石ころとか化石が大好きな管理人ですが、今日ネットで見かけた隕石系のニュースを見ていて、面白いサイトを発見しました。
ホームページのリンク集にも、南部の特産物として有名な物の一つである三葉虫専門のサイトのリンクを入れていますが、このサイトもまたぜひそのうちにリンク依頼を入れないといけない!と思ってしまうくらい個人的にヒットしてしまいました。

そのサイトはこちらの「iStone」。
鉱物や隕石について、科学的な話だけでなく、マニアならでは、といった感のあるミニコラムがついていたりして、難しい事はよくわからない私にも大いに楽しめてしまいました。

ヤフーのオークション等でもモロッコ産の化石はとても多く出品されている事から、一攫千金をたくらんでお土産に購入していく方もおられますが、そんな方に重要なのは、もちろんそれぞれの価値を正しく理解するための事前のお勉強!
この鉱物サイトにも、どういった隕石がどのくらいの価格で取引されているのかといった事も書いてあったりしてナルホド納得。どんなものがどんな理由で評価されるのかといった事を知るのはダマされないための第一歩としても重要ですね。
知識がある、ないというだけの事で、ただの石ころが、1グラム60万円にもなることがあるんですからあなどれません。間違って(笑)新種の三葉虫など掘り出した日には、何百万円もで、国外の博物館に引き取られて行く事もあるんだそうです。
知り合いの化石ハンターに一番うれしい時は?と聞いたら、「新種を発見した時。高く売れるのもうれしいけれども、何より新しいものを自分が見つけたという喜びに勝るものはないね」と語っていたのが忘れられません。
彼は特にどこかで勉強したわけではなく、ひたすら現場で海外の教授達と働きながら知識を増やして行ったそうなのですが、好きこそものの上手なれ、とはこのことだよなぁと、机に向かって勉強して、大学を出るという事だけが勉強ではないのだとしみじみ考えさせられます。

もっともそんな下ゴコロ以前に、宇宙から飛来した石やら、何十億年も前の化石やらが足下でゴロゴロしているモロッコの砂漠。ただ単に砂漠というだけでロマンをかきたてられますが、そんな宝物も眠っているとなると、ますますわくわくしてしまうのは私だけでしょうか。
砂漠で下ばかり向いて歩いている子連れの日本人がいたら、yama-sanですか?と、ぜひ声をかけてみてください(笑)風景を見るだけではなくて、親子そろって、あるいはひたすら趣味のためにハンマー片手に下を向きながら旅するモロッコというのはいかがでしょう?!