旅の情報編03:土産屋の真実?!
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お土産をめぐるトラブルを避けるために

モロッコにくると、なぜかおまじないにかかったように「買わない買わない」とつぶやいて土産屋の前を通り過ぎていってしまう日本人も少なくありません。
土産屋のしつこさを思えばそれもしかたないことですが、そんなにきばって避けなくても、ときには自分の欲にも忠実に。
うるさい土産屋の軒先の、小さな飾りにこころひかれてふらふらとなんて、本当ならショッピングの醍醐味です。

相手がどんなにしつこくても、「いる」のか「いらない」のか、あるいは安ければ欲しいのか。自分がどうしたいのか分かっていれば、断るのも簡単。恐れることはありません。

本当にいらなければ、「たとえただでも、それは気に入らないから欲しくない」といえばモロッコ人だってそれが欲しくないことがわかります。土産屋がしつこいのは、お客の中に、なにか完全に決まりかけていないあいまいなものを感じて、そこに食い下がろうとするからです。

そして、土産屋との交渉がこじれて大変な思いをするのは、本当は欲しいのに、なぜか値段はぎりぎりまで交渉しなければならないという妙な義務感にかられてしまうから。
欲しくないふりをしろとか、値段を下げるためには、じゃあねといって店を出ていくふりをしろとか。そんなセオリーばかりが気になって、いるのかいらないのかという、肝心のことを忘れてはいけません。

定価のないモロッコでの買い物は、自分の価値観というものを自分が見つめ直す作業でもあります。
商品にはマテリアル代があり、仕事代が含まれ、店の場所代も消化し、経費や店員の給料をまかない、かつ利益を出すための数字をつけなくてはなりません。一体そういったものを、自分はどのように判断するのか。

自分の経験や想像力を総動員して、「これくらいなら妥当であろう」という価格より少し低めに提示して自分の希望価格に近づけていくわけですが、そういった自分の価値観の基準がしっかりしないうちから、ガイドブックで言われるような小手先のテクニックを使っても、しかたないかもしれません。

そう、本当に欲しいと思うなら、たとえそれがいくらでもかまわない!
世の中には、自分が捨てようとしているおもちゃに、とんでもない値段をつける人だっているのです。もっと自分の価値観に自信を持って買い物しようではありませんか!

「日本人だからってほいほい払うと思うなよ」と、日本の名誉を背負ってはじめから値段交渉に喧嘩腰でかかるツーリストのほうが多いのが現実ですが、すでに多くのモロッコ人業者が、「日本人、特に個人客はけちである」という印象を共有しているので、それを理由に気張らなくても、平気です(苦笑)
 
  モロッコ式買い物のペースとルール
こちらでの買い物は、非常にタームが長いのです。
どうしても欲しいけれども、やはり高すぎて手が出ない。
安くしてほしいけれどもなかなかならない。
そんな商品があるときには、例えば値段の安いものでも買いながら、同じ店にずっと通い、「ねぇ、お得意さんなんだから安くしてよ」が通じるようになるその日まで我慢します。
そんな間隔で時間が流れて行くから、その時間の流れに乗ることができない旅人が、地元の人と同じ価格にならないことはほとんど仕方が無い事なのです。

また、コミュニケーションを大事にするモロッコ人は、物の値段そのものももちろんですが、値段交渉においてもいかにお互いが楽しい時間をもてたのか、というところも実はとても重視しています。
日本のように、物には常に定価があって、だまってそれと同じ数字のお金を置いて来るだけ、というのとは全く違った世界。だから、仮に数分でも、楽しく値段交渉や世間話でもさせてもらえたら「君は友達だから安くしておくよ」なんていうことももちろんあるのです。

また、モロッコでは商品の価格についてだけでなく、少しでも納得できないことがあればそれは「その場で」きちんと口に出し、気まずくなろうがなんだろうが、とことん話し合ってお互いの合意点を見つける、というのが習慣です。
これは知っておくと納得できるモロッコの人づきあいのルールの一つかもしれません。

そしてこのルールの中では、その合意を話し合いの後で無視することは、それまでの会話の全てとそこにかけた時間や情熱の全てを意味の無いものに帰すことになるので、モロッコ人にとっては大変な失礼、かつ重大なマナー違反。

日本人はなんとなく気まずくて「いくらなら買う」と言ったりするのですが、相手がそれに折れて「仕方ない!じゃあそれでいいよ!」といっても「やっぱり買わない」と言う事も少なくありません。
モロッコ人の言うことばかりを聞くこともありませんが、これはモロッコ人にとってはかなり嫌われてしまいます。

自分の欲望や価値観を信じて、本当に欲しいと思うなら時間がかかっても自分の思う値段を伝え、いらないのなら、いらないということをはっきりと伝えましょう。
モロッコは、今でもまだまだ人間同士の「気持ち」の部分のやりとりを大切にした時間の流れている国だということを、どこかで覚えていて下さい。
 
  本当に困る前に
けれどもやっぱり私の買い値は非常に高額だったり、ぼりぼりの値段だったりしはしないだろうか・・・。
小市民の悩みはつきません。
たとえ他人の10倍の値段で買ってしまっても、「高い?私はこの作品、この仕事にはこれだけ払ってもお釣がくるくらいよ!」なんて、内心悔しさを爆発させながらも肩で風をきって歩ければかっこいいのですが、そうはいかないのが人間の悲しいところ。
あまり友好的な手段ではないので、めったやたらとそうするのはおすすめできないことですけれど、やりとりの中で、困ってしまうことだって、やはりないわけではありません。

そうした時に思い出していただきたいのがこの方法。
それは、買い物が高額になった場合、もしくはやりとりの中で怪しいと思い、どうしてもぼられることが不安なら、お金を払う前に明細の記入された領収書を発行してもらうよう頼むことなのです。

買い物の金額があまりにも法外だった場合や、商品にクレームがある時などの助けになります。本来は、どのお店もそういったレシートのようなものを発行し、記録する義務があるようなのですが、新市街の一般商店以外でそういったたぐいのものを目にしたことはないのが実状です。
「明細」が必要なのは、一括して書かれてしまうと、たとえば「カーペットは10枚売った」とか、「この人が買ったのはそれだけじゃなくてもっとある、かくしているんじゃないか」とかいう言い訳の余地を与えてしまうことになるからです。

なかには領収書発行にはお金がかかるとか、発行のためには税金を払う必要があるからといってごまかそうとする人もいますが、何を言われようと、これはまったくもって正当な要求で、これをなんとか避けようとするような場合、どこかで「観光局にでも駆け込まれたらこまる」と思っているかもしれないと考えていいかもしれません。

ただどうやら実際、この領収書にはおさめなければいけない税金が本来明記されるものらしく、従ってツーリストも本来所定の税金を、商品の代金とは別に支払う義務があるようなのですが、まあいろいろあるのでしょう。明細を要求すると、今まで話にはなかった「税金」が登場することになることになる場合が多いです。

税金分を払うことにして明細を保険とするか、税金を払わずに、価格をとるか。そこはまた一人一人判断の別れるところでしょうが、多くの土産屋で、領収書を要求するというのは「税金分の値上がり」にもつながるということは覚えておいたほうがいいかもしれません。

そして最終的に明細を発行してもらうことに決めた場合、お店の名前や、従業員の名前など、その店で購入したことがはっきりとわかるようになっているかどうかの確認もお忘れなく。どこの国でもそうですが、サギとかぼったくりを考えている人たちの悪知恵は、われわれ一般人の常識を越えているものですからね!

ただしこれはあくまでも最後の手段。
なぜならここまで執拗に要求するということは、要するに「私はあなた方を信用していません」といっているようなものなのですから、下手にきりだせば、事態はさらに深刻化してしまいます。
日本での暮らしを考えてみても、例えばお店で「これほんとに新しいの?」とか、酔った勢いでたくさん注文しておきながら、「こんなに注文した覚えはない」とか言ったり言われたりすれば、雰囲気は悪くなりますよね?違うのは、日本のように店長が出てきて、事実はどうあろうと謝ったりするなんてことはないということ。

ですからこれは、交渉がどうにもならなくなってしまった時の、最後の対抗手段だと思っていて下さい。
モロッコだから何を言ってもいい、なんてことはやっぱりありません。
人と人のつきあいに、やっぱり国境はないのです。
 
素敵な写真を撮るために ツーリストプライス脱却への道

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