旅の情報編02:トラブルを避けるために
チップについて 「マジで恋する」100日前に


 
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自称『トモダチ』を考える

ガイドブックを読んでいると、助けてくれようと近付いてくるモロッコ人は全部ワルモノと思えばいいのだろうか、と思ってしまいますが、たかだか数ディラハムを狙ってしつこくついてくるモロッコ人だけがもちろんすべてではありません。
考えてみれば、本当に親切にしてくれたのに、じゃあね、と何もいわずにさっさといなくなってしまうようなモロッコ人にうれしく思うことのほうがむしろ多いくらいかもしません。つい何度も通いたくなってしまうわけです。

けれどもそんな中、やはり時には金目あての偽友達にあたってしまうことがあるものです。
そんな時比較的有効なのが、状況が複雑になる前、つまりお世話になった最初の段階できちんとお礼を渡しておくことかもしれません。「いらないと言っていた物を払う必要はない」と思われるかもしれませんが、友達を自称する人間で、自分から礼金を要求する人、ためらいもなくお礼を受け取る人は、そうすることでお金を稼いでいる人間であることがほとんどなので、その後どうつき合っていくか早期の段階で対策を打つことができるわけですから、考えようによっては危険も少なく、最も安上がりかもしれません。(もっとも、それを見込んで、あくまでも「トモダチ」をアピールし、別の方法で稼ごうとする輩もいるのですが)おまけにまたいつ会えるとも知れぬその人の親切にその場で答えようと思ったら、チップということできっちりさせてしまったほうが、自分の気持ちも逆にすきっとするかもしれません。

お金で人間を試すのもいやな気分ですが、「やばいんじゃないか」という不安がどうしても拭えない時、思い出してみて下さい。その時までに、本当に仲良しになれそうな人なんて、大概の見当がついているものでしょうけれど。

そして女性。黙って座っているだけでガイド希望者、及びお付き合い希望者がよってくるのでうざったさは男性以上。ですが、彼らモロッコ人(男)は本当に友達になったら、自分からむりやり言い出さない限り、旅人という客人であるところの友達にお金を払わせるなんていうことはほとんどしません。
バス代やらタクシー代でさえ、長距離でなければ請求したりしないのです。日本のように割り勘、なんていう発想は、彼等には全くないといっていいかもしれません。
特に男にとって、そんなことを女性に言い出すなんて、かっこわるいもいいところ。
本当に友だちだと思っていたら、そんな恥ずかしいことはまず言い出せないことでしょう。こんなところも、ちょっとした目安になったりします。
 
  男同士の「おつきあい」
男同士だとまたこれも少しかわるようですが、おおむね同じことです。
食事に行くとなったら、それは大概言い出した人間が払うというような暗黙の了解が、モロッコ人同士の間にはあるんです。ですから支払いの段階になってからお前払えよ、みたいなことは、モロッコ人同士ではまずありません。あったところで「僕が払うよ」という言い争いがいところ。

そう。本物のお友達は、付き合いの中で金銭をにおわすようなことはほとんどしないのです。払える時に払える人が払い、お互いふところの寂しい時は助け合う。それが彼等の友だち付き合いなのです。
...というより、彼等にとってみれば、それこそ「男」のあるべき姿とでもいいましょうか。モロッコ人。じつは「宵越の金はもたねぇ」的なきっぷの良さが男のほまれだったりするんです。
そんなわけで、彼等モロッコ人にとって友だちというのは、おごったりおごられたり、助けたり助けられたり、の関係です。そんな男同士の友達関係に紛れ込むのですから、おごられるということは、いつかそれが自分にも順番が回ってくるものだということだということは覚悟しておいたほうがいいでしょうね。(女性でも同じことですが)

私たちのように、10円の貸し借りをきちんとしまつするなんてことは、彼等には考えられない話し。
なぜなら、そんなに小さなことを気にするのは、なんといっても男らしくないからなのです。友達関係を崩したくないから気を使う日本人とはちょっと違った感覚なので、モロッコ人の皆さんとは、この題材を巡って友情論から経済論まで幅広く語り合う?機会がきっとたくさんありますよ。

そのように、「本当に友達だ」というののほとんどはわりと簡単に感じられるわけですが、それでも女性はひとたび夜が近付けば、「お金」はいらないと言ったけど...と肉体関係を求められることがあるので最後まで気をつけるに越したことはありません。
 
  トラブルを避けるために
さて、大概はお金がからんできて問題になりはじめる自称ガイド。
そこで、あらかじめ問題をさけるため、そして、せっかく案内してくれるという「友だち」を、自称ガイド禁止の取り締まりから守るため、先に警察に届けておこうと誘っておくのが一番いいかもしれません。
私が友達になった最初の人間は、「自称ガイドは禁止だから」と、自分から警察署に許可をもらいに行こうと言ってくれたくらいです。これに必要なのは相手の身分証明書と自分のパスポートだけですから簡単です。

けれども、私もそのようにしていろいろな人と街を歩き、いろいろな友達ができたつもりだったのですが、結局今でも本当に良い友達としてお付き合いをさせてもらっているのはなんのかんので、ダンナのともだち達とその家族くらいのものなのです。
他にも何人か仲良くしている人がその輪の外にいますが、その人のことを、その輪の中で直接、間接を問わず知る人がいないと、気をつけた方がいいよと周りから忠告される事の方が多くて大変です。
あまりにもそれがうるさいこと、そして結婚した今となってはよけいな誤解をさけるため、ついには旅人だったころに友達だった人々とは、あいさつを交わす程度になってしまった今日この頃。

友達、と口ではいいながら、社会的身分やその人の家族の評判などを信頼のバロメーターとして、彼等モロッコ人はものすごく気にしながらおつきあいをしているという現実がここで見えかくれしているわけなのです。

特にイスラムのこの世界において、彼らにとってさえ実際に信頼のおける友達関係とはまず家族、そして数年越しの付き合いのある友達くらいの範囲のことが多いですから、我々外国人ツーリストにとって、安心して友達と言える人間を作るのはかなり難しい事だと思ってかかった方がいいのかもしれません。

むしろモロッコ人の方が、同国人同士、全く知らない人間に対して警戒心が強いと言ってもいいくらいです。
もしかすると、そんな現実もあって、しがらみなしにつきあえて、信頼できて、手っ取り早く新しい外国人の友達を得ることに、あんなに必死なのかもしれません。

そんなモロッコ式の友達関係にうんざりしたり納得したり。
日本にいるときの何十倍も人間関係に苦労してしまいますが、そんななかで出会った友達との関係は、離れていてもどこかでなんだか温かく...。
そしてその温もりこそがモロッコに私を呼び戻すカギなのだと、これだけははっきり言えるでしょう。
 
チップについて 「マジで恋する」100日前に

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