旅の情報編04:モロッコ人とくらし
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正しいハマムの入り方

安ホテルの利用者に、そしてモロッコ庶民の生活を覗いてみたいと思う方に、ハマムの存在はかかせません。
日本人なら、たまには熱いお風呂場であついお湯をかぶって「へぁ〜っ」っと全身の力を抜いてみたいと思うもの。 ああ!あの砂漠の大地のどこかにあつ〜い温泉が湧き出る泉でもあれば最高なんだけれどなぁ!

さすがにスチームサウナのハマムにもバスタブはないけれど、お湯が使いたい放題で、高温高湿のハマムでゆっくりするのはとてもいい気分です。

近頃では街中やホテルにも清潔さと高級さが売りのハマムの数も増えてきましたが、旅の楽しさはなんといっても庶民のハマム。
けれども初めてハマムにはいるのに、ちょっと勇気もいりますよね。
建物に入って行くのは大きな荷物をかかえたモロッコ人ばかり。がんがん響くアラビア語のおしゃべりが、お風呂場の壁に反響して外にまで響いてきそう。おまけに何をどうすればいいのかわかりゃしない。

そこでモロッコの楽しい見どころの一つでもあるハマムで楽しいひと時を過ごすためのHow toをご紹介。
お風呂の習慣の違いを見るのも面白いし、こそこそ、っとモロッコ人と日本人の体型の違いに驚くもよし。ここでは旅の疲れをいやすため、もっとモロッコ人に近付くための、正しいハマムの入り方、教えます。
ハマムとは
まず、ハマムというのは、イスラム諸国のおける日本の銭湯のようなものですが、浴槽がついているタイプのお風呂ではありません。このタイプのお風呂を本来トルコ式の風呂、トルコ風呂というのですが、その言い方は日本人的にはちょっと恥ずかしい?かもしれません(笑)
中に入ると、時々浴槽のようなものを見かけることもありますが、これはお湯をためておくためのもので、中に入るためのものではないので間違えないようにしましょう。
 
 
ハマムの床には、熱湯が通るパイプがめぐらしてあり、床から部屋全体をあたためてあるサウナのようなシステム。お湯は背後の大きな暖炉のようなところで、せっせと薪によってあたためられていて、ハマム近くのレストランなどでは、このハマム暖炉の熱を利用した牛の足の煮物(コライーン)なんかを扱っているお店もあるそうです。

通常ハマムには、手前から奥へと3つの部屋があり、奥へいくほど、室温が高くなるという構造で作られています。モロッコ人はまん中の部屋にいることが多いのですが、私達日本人には奥の部屋の暑さでちょうどいいくらいかもしれません。

また毎日人が来るハマムを作れないような田舎では、卵を縦長にしたような土の小さな建物?を家の片隅に作り、そこを一人分のハマムにしていたりします。実際に使った事はありませんが、床の下を薪で熱するそのスタイル、どことなく形式こそ違え、なんだか五衛門風呂みたいです。

さて、街の普通のハマムはそんなに小さな建物ではありません。
そこは休みの日の午後などは、まるで真夏の湘南海岸のようなにぎわいで、もうどの部屋も一杯。人人人で座る場所もないくらい。
平日はそんなことはありませんが、モロッコ人に囲まれるのがちょっと恥ずかしい、一人ゆっくりくつろぎたいという方は、開店早々(朝6時ごろから営業しているところが多いようです)か、お昼どき、晩御飯の支度がはじまる時間など、普通の人が忙しくしているような時間を選ぶといいでしょう。
街のハマムなら料金はどこでもだいたい5〜8DH前後。設備の新しいきれいなところで30DH、高級ホテルのハマムでのあかすり付きで200DHくらい。
入り口はきちんと男湯と女湯の二つが分かれています。違う入り口に入らないように、入り口のサインをよく見て確認。たいてい小さな絵がかいてあったりするのでわかるのですが、それでも分からないハマムに出会った時は、人の出入りをよく確認してみましょう。
 
  入浴基本セット
 ・着替え
 ・石鹸、シャンプー
 ・体を洗うタオル、体をふくタオル
 ・手桶(バケツから水をすくうため)
 ・風呂場用サンダル(きれい好きの方)
 ・貴重品用ビニール袋(中に持って入りたい方)

要するに温泉に行くときと同じ要領です。ちがうのは、洗面器や桶などの備え付けはないというところ。脱いだ服や持ち物をいれて預けるために、大きなかばんにでも入れて行きましょう。かなり汗をかくことになるので、ミネラルの小さなボトルを持っていくのもいいですよ。

入浴の手順
■ 入場から脱衣まで
ハマムの入り口は男女に分かれているので、それぞれの入り口から入ります。
入るとすぐに、番台みたいな所があるので、そこで大体5〜8DH程度の入浴料を払います。
この時、必要な方はあかすりミトンやサヴォンビルディ等を買いましょう。
そこから先に進むと、そこが脱衣所です。適当な場所を見つけて 服を脱ぎますが、このとき丸裸にならないように!男も女もハマムにはパンツ一丁で入ります。

ハマムの中に持って入るものだけ別にしたら、残りの荷物を番台のような所にいるおばさん(男湯は当然おじさん)に預けます。ただし、貴重品の扱いには要注意。ハマムでなにか盗まれたという話は聞いたことがありませんが、気をつけるにこしたことはありません。ハマムに行く時は入浴料と、必要であれば石鹸や、飲み物を買う程度のお金、20DHくらいの小銭を持っていく程度にしておくのがベストでしょう。
また、荷物を預けるところにいる人にも、預かり賃として1〜2DH程度を渡すのも慣例です。

■ 中に入る時は
吸盤付きのフックを持っていく余裕が有れば、壁に簡単な荷物をつるせるので便利かも。ハマムの中には、特別にものを置けるような場所はないので、濡れたらこまるようなものはあらかじめ預けておきましょう。
きれい好きなモロッコ人は自分用に、座るためのランチマットのおばけのようなビニールのシートを持って入っています。
これはスークのハマム道具屋で売っているものなので、ハマムの床に直にすわるのはいやだと思う人は、これを買っておくといいですね。モロッコ人にもちょっと「通」な人に見えるかもしれません。
ただしこのマット、日本に帰ってきてからは、なんの使い道もなさそうなものですが。

ハマム内部に入る前に、バケツを持っていくように言ってくれます。地元の人間はほとんどが「マイバケツ」持参できている人が多いので、これは取らないでさっさと行ってしまいます。このバケツ、持っていけるのは一人3つくらいになっています。(中にはこのバケツレンタルが有料の場合もあります)

■ いざ入浴!
空いた場所を見つけたらシートをしいたり、荷物を並べたりしてまず場所取り。その後、バケツを持って蛇口の前で列をつくり、お湯と水を混ぜて好みの温度にしてから自分の陣地の回りにバケツをならべ、そこから持ってきた手桶(コップ、ボウルなど準備できたもの)でお湯をすくって自分にかける。
基本的にはこういうシステムになっています。

モロッコ式に体を洗いたい方は、まず入り口で買ったサヴォンビルディを全身に塗り、そのまま髪の毛を洗うなど別の事をします。
その後垢擦りミトンで体をこすると驚くほどに垢が!ただ、はじめての方は20DHくらい払う事になりますが、ハマムの垢擦りおばさんに頼んでみないと感動するほどの汚れ落ちはないかもしれません。
一度プロにこすってもらうと、次回からは自分でこすっても驚くほどに垢が落ちて来るようになります。
ただし、肌の弱い方は下手をすると「いなばの白ウサギ」状態になってしまうのでやめておいた方がいいかもしれません。

■ 外に出る時は
きれいになった足にきれいなサンダルをつっかけて脱衣所へ。サンダルがなければもちろんそのままで平気ですが、ハマムの床はみんなが垢すりで必死に落とした垢だらけな事も。あった方が便利ではあります。
ここであまりびしょびしょでも困るので、モロッコ人は垢擦りおばさんや、その他お掃除のお姉さんなどに頼んで中までタオルやバスローブを持ってきてもらったりしている人も見かけます。日本人の我々は、自分のタオルをしぼってちょっと体をふいてから、脱衣所に戻るといいでしょう。
 
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