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2003年度下半期ベストCDランキング
presented by NN

数年前のフランスでの爆発的なブーム以来、一時の流行ではなくしっかりとヨーロッパの音楽シーンに定着したアラブ音楽。
アラブ音楽と言っても、ここで取り上げているほとんどがマグレブ系音楽(ベルベルを含む)なので「アラブ」音楽と言ってしまうと狭義になってしまうのですが…。
しかも今回のランキングはマグレブ一色にさせてもらいました。モロッコのサイトってことでご勘弁を。
どうもここ最近はアラブ歌謡の拠点であるエジプトやレバノンのポップスが退屈で聴けなくなってきているのです。これってマグレブ病ですよね…。


1位 Cheb Mami 『Du sud au nord』
13曲がすべて数々のトップアーティストとのデュオ曲で、ゼブダのメンバーや、ズッケロとの共演など4曲は新録音となっています。こうしてデュオ曲だけをまとめてみると随分とすごいことをしてきているのだと関心してしまいます。ライの可能性をここまで最大限に生かせるのもマミだからなのでしょう。 融合型ライ、そして「ライ・アンテルナショナル (国際派ライ)」の王者にのぼりつめたマミの軌跡です。

2位 ZEBDA 『La tawa』
18年間続いた活動を休止することになったトゥールーズのバンド、ゼブダのバルセロナ・ライブ。活動休止前のラストアルバムとなってしまいました。大ヒット曲「TOMBER LA CHEMISE」から現在までのゼブダを辿ることができる選曲で、なんとDVD付!彼らのライブ・パフォーマンスも圧巻。ロック・バンド、ノワール・デジールに続き、南の星がまたもや消えてしまうかと思うと寂しいものですが、メンバーはそれぞれ活動を展開していく様子です。

3位 Cheba Maria 『Jenentinie』
カサブランカ生まれのモロッコ人ライ歌手。タイトル曲「Jenentinie」は今年の大ヒット曲で、前奏はマロカンらしくグナワ調になっていますが、メロディーはお馴染みのチュニジア民謡の「SIDI MANSOUR」をうまい具合にライ風にアレンジ。最近のトレンド、ライ・ロボティック+大胆フェミニストぶりを充分に発揮したパワフルなアルバムです。

4位 Faudel 『Un Autre Soleil』
前アルバム「Samra」以上に、音的にはライからかけ離れたものになりました。ヴァリエテ・フランセーズにカテゴライズされそうな勢い。 90%はフランス語歌詞で、所々にダリジャをミックス(これは以前からのスタイルですが)。が、内容は極めてBeur的。父親になって、さらに成長したフォーデルの自分探しがこのアルバムに込められてます。
「フォーデル=ライ」さえ意識しなければ、問題なし。

5位 Sun RAI
ベニ・メラル出身の若手モロッコ人DJ Youcefによるコンピレーション。カサブランカの人気ディスコでDJをしていたらしく、さすがシンセサイザー、ギンギンの曲ばかりを選曲しています。ってことで、半分ぐらいはライ・ロボティックだけど、2003年度のライ・コンピレーションの特徴になってるのではないかな。なにせ、一人がやリ出すとみーんなが一斉にやり始めるのがマグレブらしい。でも歌声にエフェクトをかけているだけで、音的にはむしろライ・ピュール(純ライ)に回帰してるのはうれしいことです。

6位 Cheb Balowski 『Potiner』
カタロニア地方では最もコスモポリタンな街であるバルセロナのラヴァル出身のアルジェリア系カタロニア人による11人編成のバンド。名前からして「Cheb」がつくからライ?って思いがちですが、バンド名と言うのだからおもしろい。カタロニア、アラブ、フランス、バスク、スペインの文化が混在しているバルセロナならではの音作りでになってます。
歌詞はカタロニア語。タイトルの「Potiner」はエウスケラと呼ばれるバスク語で「いい気分」という意味らしい。

7位 Outlandish 『Aicha』
ハレドの大ヒット曲「Aicha」は今までにスペイン語、ヘブライ語、ポーランド語やウォロフ語バージョンなどで歌われていたのですが、もっと早く出ていてもおかしくなかった英語バージョンがやっとリリース。デンマークで活躍中の、モロッコ、パキスタン&ホンジュラス系という多国籍なメンバー3人から成るラップグループによって歌われてます。コブシが効いたハレドよりも随分と聴きやすくなっていて、バックストリート・ボーイズ風の甘〜いバラードに変身。

8位 IAM 『Revoir un printemps』
マルセイユ出身社会派ラップグループ、アイアムの6年ぶりのリリース。久々の登場にもかかわらず、フランスのアルバム・チャート初登場1位を獲得し、フランスのヒップホップ界を君臨し続けている大御所なのに、日本盤はこのアルバムが初だとか。メソッド・マン&レッドマンやデスティニーズ・チャイルドのビヨンセをフィーチャリングした話題作で、世界中のヒップホップファンを喜ばせる内容になってます。

9位 ZenZila 『2 pull-overs 1 vieux costard』
リオン出身のアルジェリア系フランス人によるポップ&ロック・バンド。パリで行われたフォーデルのライブで共演をしていて、イケ面ヴォーカルのワヒッドの力強い声がいい感じにフォーデルをサポートしていました。アルバムのサンプルをライブ後に無料で配られて、思わず気に入って買ってしまった一枚。フルート、バイオリンやベンディールを加え、アラボ・アンダルース的サウンドを展開。

10位 Douzi 『Mani zaafan』
モロッコ出身の若手ライ歌手。パンジャビMCの「MUNDIAN TO BACH KE」のカバー曲が収録されているので一躍注目を浴びていますが、まだ声変わりをしていない頃の彼のカセットを持っていたので、このアルバムの成長ぶりにはちょっと驚き。バングラ・ビートあり、エジプト・ポップス系あり、ライ・ロボティックありと多彩な内容。

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