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2008年05月20日

●三葉虫の伝説

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モロッコは、恐竜の足跡やら恐竜やら、アンモナイトや三葉虫といった化石を産出することでも実はちょっと有名な国。
けれども、この国で化石が注目されるようになったのは、ついこの30年くらいの事。
いえ、この国だけでなくて、世界が化石なんていうものに注目するようになったのは、きっとどこでもこの50年とか、そのくらいのものなのでしょう。

けれどもこの化石たちが化石として注目される前からも、もちろんソレはそこにひっそりと転がっていたわけです。
特に奇妙な形をしている三葉虫なのに、ただひっそりと荒れ地に転がり続けていたのには、訳があったのでした…

三葉虫が産出されるエリアに暮らしていたのは、昔から遊牧民たち。
彼らにとっても、この奇妙なムシのような形をしながら動かない石は、もちろん昔からずっと奇妙で不思議な存在でした。
気になってはいたものの、それを集めてくる子供たちに、年寄りは言ったのだそうです。

「子供たちよ、これは昔、神様のいいつけを信じなかったばかりに、ノアの箱船の大洪水の時に違う姿に変えられてしまった人間たちなのだよ。だから触ったり、集めたりしてはいけない」と…。

そんなふうに信じられていたから、こうして今でも、貴重な化石が手つかずのまま残されているのですよ、と、片田舎の地学ガイドが教えてくれました。

乾燥した厳しい砂漠地帯に暮らす彼らは、もちろん海など見た事はありません。
彼らの知っている水はといえば、大雨が降ったときに出来る洪水と、それがたまってできあがる砂漠のほとりの沼地くらい。
そんな生活の中ではこの奇妙な石が、昔は海の底にいた生物であるとも、またその乾いた砂漠の大地が昔は海の底であったなどとも、考えられるはずがありません。

そんな彼らの生活の中で、いつのまにやら聖書の時代の伝説と、今も日常に現れる自然現象が結びついていったのかもしれないなぁなどと思うと、三葉虫という古代のロマンの上に、さらに人間の歴史や、雄大で厳しい自然の中に生きる人間のはかなさなどが重なって見えて来るのでありました。

皆さんもモロッコの砂漠のほとりで三葉虫探し、いかがですか?