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2007年10月03日

●針穴モロッコ

針穴モロッコ国旗

去年ウルルンの撮影でお世話になったノマドに会いたくて、今年の夏も駆け足で出かけたアトラス山中、イミルシルのムッセム。

今年も去年とほとんど同じ場所にテントを張っていた家族。
去年一緒だった息子夫婦とお父さんお母さん夫婦は今は別々のテントに暮らしているのだとかで、今年は同じテントの下、小さな子供二人が、若夫婦のいないテントでお留守番をしていた。


湖のほとりで

みんなに会って挨拶をしたかったけれども、街の中でも、出会えたのは大きいお母さんと、残りの3人の子供だけ。一番会いたかったお父さんは、もちろんムッセムに家畜を売りに出かけていて、最後まで出会えなかった。
けれどもせっかくだから、もちろん皆で去年の番組鑑賞。
お母さんも、子供達も、「ハナはどうしてるの?どこにいるの?」と、ちゃんと覚えていてくれた。

ずいぶんと成長していた子供達の中でも、去年ラクダ守りをしていた恥ずかしがりの男の子は見違えるほど少年らしくなっていたけれど、今年はラクダではなくて、お父さんに言いつけられたのか、町中でタバコのバラ売りをしていた。

「ラクダの番をしてるのと、街で仕事するのとどっちがいい?」
ちょっと残酷かもしれない質問に、彼は斜め下を見つめながら答えてくれた。
「…ラクダの方がいいよ。でも、今年はお父さんにそうさせてもらえなかったんだ…。どうしてかはわからないけど。」

針穴から覗いたモロッコは、くっきりと写すモロッコよりもずっとモロッコらしい空気を見せてくれたけど、針穴の向こうにある現実の社会の空気は、毎年少しずつ、確実に変わっている。

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