●ファンタジア

先日のエッサウィラ日帰り旅行の帰り道。
アガディール方面とエッサウィラ方面へ向かう道路の分岐点にある街、シシャワでファンタジアをやっていました。まだ始まる少し前だったのですが、お祭りがあると分かっていて通り過ぎるわけには行きません(笑)
ファンタジアというのは、昔人間が馬に乗って戦争をしていた頃、敵に向かって一列になって押し寄せ、いかに素早く戻ってくるかという技術が必要であった時に、訓練として行われていた物が今こうしてお祭りの形で残っているものだと言われています。

このお祭りのために使われる馬は、農業に使われていたり、馬車や荷車につながれてコキつかわれているお馬さんとは違います。地域によっても異なるかもしれませんが、姿形も、また肉付きも良く、このお祭りのため「だけに」飼育されているものなので、村人にとっては当然ちょっとしたステータス。
しかもチームがこの競技で優勝したとなればますます誉れは高くなりますし、優勝した村の産出馬は高く売れるという事もあり、名誉欲とボーナスになるかもしれない?という期待とともにますます盛り上がるというもの。
いつもはダラダラしていて、いつ働いているのかよくわからないようなおじさん達も、この時ばかりはかなりシャキシャキ。
正装をして、自慢の馬の手入れをして、家族に伝わる馬具で飾り立てて準備万端。
スタートが近くなると、あちこちで鉄砲からちゃんと音が出るかどうかテストするために空砲が響き渡る…。(本番でももちろん弾は入れません)
会場脇のテントには、こんな風景が広がっています。
準備が終わると、特にセレモニーがあるわけでもなく、なんとなーく1つ目のチームがスタート。
まず最初は、どうやら昨年の高位入賞チームのようで、駆け出しから横一列に揃った隊列。
スピードが出たところでかけごえと共に鉄砲を振り回す動作をした後、一斉に打ち鳴らされる銃声。
そして終わった後も、もちろんきれいに整列して自分たちのテントに戻って行くのですが、この姿の美しい事!
普段我々ガイジンが接するモロッコ人なんて、お金欲しさにコビコビになっている人ばかりに思えてしまうくらい、周りには目もくれず、ガイジンの女にも目もくれず、背筋を伸ばして”ヲトコ〜!!”全開のオーラを出しながら立ち去って行くのでした。カッコイイ〜!
(…ちょっと制服とか正装とか、かわいいおじいちゃんには弱い管理人でした)
この競技のポイントは、いかに一列に揃って走り、いかに同じタイミングに銃を打ち鳴らすか、というような所。けれども毎日てんでばらばらに生きているモロッコ人ですから、お祭りの時だけタイミングを揃えるなんてできるわけがなく、大概のチームはかなりバラバラ。普段から「アナアナ(自分自分)ばかり言っているからそうなるんだよ(苦笑)」と、外野のガイジンは苦笑いしてしまいます。
以前聞いた時には、お祭りの準備が本格的にスタートするのは1週間くらい前からという事だったんですが、日本人だったら通年で、1ヶ月に1回とか、少なくとも本番になったら1ヶ月くらい前から猛練習するだろうに…とか、ついついお祭りに見る国民性比較などして楽しんでしまいます。
今回のお祭りには、280頭の馬が集まっていたのだそう。
整列しては150mくらいの距離を走り抜け、最後の最後で鉄砲を打ち鳴らす。
それだけの事を繰り返し、地域によってはそれが3日も続くというお祭りなのでありました。
「おじさん、今回はどこのチームが優勝しそう?」
「それは俺には分からないさ。見る人が決める事だからね!」
Coooool !!
コメント
初めまして。いつも楽しく読ませて頂いてます。
この、「ガイジンの女にも目もくれず、、、、」ってすっごい笑ってしまいました。
そのギャップがまたかっこいいところも同意です!
モロッコにはまだ行った事がないのですが、その従兄弟?の様な国、チュニジアには昨年行ってきました。
モロッコは機会があったら是非是非行ってみたい国なので、HPはいつも参考にさせてもらってますよ〜。
また笑える有益な情報楽しみに待っています。
Posted by: のん | 2007年08月16日 13:44
のんさん
はじめまして。
コメントいただいてから、既に1ヶ月じゃないですか!すみません。今年の8月は忙しくて死亡していました…。
私はまだ他のマグレブの国には出かけた事がありませんが、機会があったらぜひ旅してみたいと思います。
モロッコも、とても豊かな風景に恵まれた面白い国なので、いつかぜひ遊びにいらして下さいね!
Posted by: yama-san | 2007年09月06日 08:45