旅の情報編07:モロッコ・旅の記憶
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マラケッシュ滞在中に親しくなった現地の人から、「ワルザザートにも、10人くらい、日本人は住んでいるんですよ」と聞き、名刺まで見せてもらっていた自分。
そしたらその名刺の人に、見事なまでの偶然で出会ってしまうから、旅は面白い。

マラケッシュを早朝に出たCTMのバスが、ワルザザートに着いたのは、昼過ぎの13時。正直、バスの中の寒さと、山道での揺れで、吐き気さえ覚えた自分。
街に着いたからといって、行き先は未定。まずは、ホテル探しからが、いつものパターン。頭の中では、2,3の候補が。そんな中途半端な状態でいる時、バス停であきらかに日本人らしき人が、子供を連れて、見送りに来ているではないか。
この街のことは、着いたばかりでなんにもわからないし、もしかして、あの名刺の人かもしれない?尋ねてみるのも旅の手段。

「あのー、もしかして…」と聞くと、ズバリ的中。存じ上げた理由などを話すと、バスタブがついていると言う事で、第1候補に挙げていたホテルのすぐ横にお住まいで、そのホテルの設計者でもあるという話。「よかったら、うちへご飯も食べに来てくださいよ!」の言葉にも誘発され、ホテルを予約し、お邪魔することに。
この人の名は、森分伸好さん。
こちらへ来て、もう17年。ベルベル人の奥さんと、3人の子供達、そして、奥さんの妹さんとの6人家族。
とっても、可愛い子供達は森分さんに言わせれば、「日本人慣れしてるんですよ」とのこと。話好きの森分さんは、街で見かけた旅人と、こうして話すのが大好きだとか。

「日本に住んでいたら、出会えないし、話すキッカケも無いだろうことが、この街に住んでいると言う事で、こうして話が出来る事が楽しくてね」と言うその顔は、本当に人の好いおじさん。
そんな森分さんの人柄と、家族の温かさ、子供達の笑顔に誘われ、ワルザザート滞在中はずっとお宅へお邪魔してしまった自分。子供達も、すっかり懐き、双子のふたりはおめかしをして、ホテルの僕の部屋へ遊びに来たり。長女に教わったアラビア語のメモは、その後の旅先でも役に立ったり。奥さんの料理の味もなかなか。こんな触れ合いを経験すると、さすがに最後の別れは辛かったですね。

行動予定をビシッと決め、それに従って旅するたびも好いかもしれないけど、旅はやはり、その場その場の展開で左右されるもの。偶然が呼んだ、この出来事は、そんな旅の楽しさをあらためて感じさせてくれた思い出かな?

設計事務所から独立し、現在は個人で頑張っている森分さんは、今後、ホームステイ型の宿として、この自宅を旅人達に開放したい夢も語ってくれました。
目的はもちろん、設計の収入だけでは苦しい経済的な部分もあるそうですが、それよりも何よりも、旅人との語らいを楽しみたいのが本音みたいです。
「いろんな人に聞くと、1泊3食付きで、100DHくらいが、妥当じゃないかって言うんだよ。部屋はいくつも空いているし、自分もいつだって、家にいるし、食事だってまとめて作るから、手間はいっしょだしね」
そんな話を、ワルザザートの田園地帯が一望に見下ろせる見晴らしの良い屋上で語ってくれた森分さん。

「夏はね、この屋上で星を見ながら寝るんですよ。部屋の中は暑さが抜けなくて暑いものでね」
-きっと、そんな満天の星空はすごいんだろうなあって思いつつ、この街でこの一家が、いつまでも変わらぬ幸せで過ごしていてくれたらなって思う自分。これから旅を楽しむ皆さんも、ぜひ、そんな触れ合いを楽しみに、とてものどかに時が過ぎて行くワルザザートの街を、森分家を訪ねて行ってみて下さい。

森分さん一家の紹介ページ・『旅の停留所』へ


 
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