旅の情報編06:モロッコ雑学教室
   


 
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土着の言葉・ベルベル語

世界で最もベルベル人人口の多い国、モロッコ。
モロッコで話されている言葉は今でこそアラビア語ですが、7世紀にアラブ人によってイスラームの思想が持ち込まれるまで、北アフリカ一帯では、ベルベル語が共通語として話されていました。

紀元前にもさかのぼると言われるこのベルベル語は、現在も各地方で少しずつ違いが見られながらも、それらをまとめて現在も大きくベルベル語、と呼ばれています。

モロッコでは大別すると3つのベルベル語、
 ・タリフィッツ(北部リフ山脈方面)
 ・タシュルヒッツ(西部アンチアトラス方面)
 ・タマジーグ(中央部オートアトラス山脈域)
といった語群が話されており、t、s、hなどを中心に、29の子音と4つの母音から構成される、子音中心の言語となっています。
このことからベルベル人は世界のどんな言葉を学ぶにあたっても、発音的にはほとんど問題なく学ぶ事ができる傾向にあります。

語群としては、下の2つ、タシュルヒッツとタマジールについてはどちらかが分ければ、もう一方と話をするのも難しくありませんが、北部のタリフィッツについてはかなり大きな違いがあり、他の2つのベルベル語を理解していても、いくつかの単語が共通している、という程度にしか理解できないくらいの違いがあります。

この他、ベルベル語と呼ばれる言葉は、アルジェリアのカビーリ、サハラ砂漠のトゥアレグ族でタマシェクとして話されていますが、これら全てのベルベル語は、お互いに少しずつ違っていても、基本的に何を言っているのか、ということは推測しあえる範囲であると言われています。

ベルベル語の特徴
ベルベル語の特徴は、このように昔から北アフリカ一帯で広範囲で使われながらも、どれか一つのベルベル語が公用語として広く使われたことはなかったということにもあります。
これは人間の往来が激しくなった時代には、すでにコーランとともに広がったアラビア語が、部族や民族を越えて使える共通語として、ベルベル語よりも優位な位置で人々の間に使われていたであろうという事と、ベルベルという民族の歴史の中で、どれか一つの部族語が共通語として抜きん出ることができるほど、巨大な権力を持った勢力として成長しなかったということもあり、歴史的にあまり重要視されてきませんでした。

また近代においては、民族が固有の言語を持ちその下に集うというのは、政治的には同じ区域内に暮らす別の民族からの分離・独立運動につながると考える事もできるため、国内において多くのベルベル人人口を抱えるモロッコにとってベルベル語の取り扱いは、ただ単に公式な言語として認めれば良いという単純な問題ではなく、デリケートな問題の一つとして長い間存在し、ベルベル語の言語的な地位はあいかわらず低いままでしたが、2005年度よりついに国として正式なベルベル語教育が、まずは特定の地域の希望者に向けてスタートされました。(特にベルベル人人口の高いアガディール方面で熱心です)

このベルベル語は「アマジーグ」と呼ばれ、スタンダードとして用いるために工夫が加えられたもので、マジョリティーをマイノリティーに押し付けるものではないという事ですが、それであるがゆえに、現在話されている言葉そのものではなく、標準化させたものを教えるという事の意味がどこにあるのかと問う人も少なくありません。

いずれにしても歴史的に地位の低かったベルベル語という言語が公式に取り扱われるということはとても大きな動きではあり、今後どのように推移していくのか注目されます。

現在も生きているベルベル語
こうして国語としての取り扱いがようやくスタートしたベルベル語ですが、日常語としては今も山間部を中心にごくごく普通に使われていて、田舎の村などでは、お年寄りなどを中心に、まだまだそれしか話せない人も存在しています。
また、ベルベル人の一般家庭では、子供にはまずベルベル語で接し、学校への入学が近くなるとアラビア語が追加され、小学校に入学すると、そこにさらにフランス語が加わる、といった具合に言葉を覚えていきます。

このように知識として習う言葉は部族間や民族間の言葉の壁を越える言語として広く使われてはいますが、ベルベル語もまだまだ人々の生活の中にきちんと生き続け、ベルベル人としての誇りをささえています。

 
   

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